ポエム
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翳りを捨てて―
ささやかな接吻は ぼくを生かし
きみを生かし 青空へと目を向けさせる
さえぎるもののない
国へ行ってみたい気がする
きみもぼくも苦しさの中に
喜びを見つけたね

―哀しいかいって聞くと きみは
素直に頷いた 限りない
哀しみへとこころを開くように・・・
そして急に笑顔になって―嘘よ と言って
ぼくの薄い胸板に縋りつくように泣いた

ぼくは抱き締める きみを深く強く
何にもきみを奪われないように・・・
ぼくは目を瞑り きみの香りを
ぼくに閉じ込めたくて ただひたすら
きみを抱き留めていた

かなり前になる ぼくらが
翳りを捨て去ったのは・・・
真っ直ぐに歩いていって 一度だけ
振り返ることを赦して・・・それでも
きみは ぼくと真っ直ぐに歩いていった
一度も振り返らずに・・・
23/05/19 00:05更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
おやすみなさい。

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