海辺にて―
1
夢が裂けて そこから
溢れる今日よ 自ら
拓かれてゆく日がある と
海の見える丘で歯を噛みしめて―
2
石を放る その描く線の
微妙にゆるやかな淋しさ―
3
コーヒーを淹れて啜る 見事な
水の苦さだ コーヒー豆が
苦いのではない この湯が
その苦さを導き出すのだ
4
入れてある百円銀貨を
財布から取り出し
タバコを買えば
ウナギが食いたくなった
5
発光する地面よ 大地と
天のまぐわいよ 大地は
身籠るであろう 月がその上を
三角形の光芒を垂らして往く
6
苦し紛れに放った石
石は淋し―されど
石の恰好をした意志は
堅固に底光りがしている
7
毎日が指の形に変形する
その指は空の明るい場所を
いつも握っていて離さない
夢が裂けて そこから
溢れる今日よ 自ら
拓かれてゆく日がある と
海の見える丘で歯を噛みしめて―
2
石を放る その描く線の
微妙にゆるやかな淋しさ―
3
コーヒーを淹れて啜る 見事な
水の苦さだ コーヒー豆が
苦いのではない この湯が
その苦さを導き出すのだ
4
入れてある百円銀貨を
財布から取り出し
タバコを買えば
ウナギが食いたくなった
5
発光する地面よ 大地と
天のまぐわいよ 大地は
身籠るであろう 月がその上を
三角形の光芒を垂らして往く
6
苦し紛れに放った石
石は淋し―されど
石の恰好をした意志は
堅固に底光りがしている
7
毎日が指の形に変形する
その指は空の明るい場所を
いつも握っていて離さない