ポエム
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春の管弦楽
貝殻に閉じ込められた
海の隆起の管弦楽―それらが
あなたの口から迸る時
私は恍惚とした春を感じる

愛情の建築学が さも
楽しそうに あなたから
私へと手渡されてゆく
それは私情と詩情の交差したもの―

木蓮の紫が 知らぬ間に
大きく花咲いていた朝
あなたは洗濯物を見上げて
鮮やかに笑った その

無防備な表情が 春
そのものだった これから
あなたと買い物に行くが
―今日は自転車で行こう―と

快活に提案したのは私
それほどまでに晴れていて
土手の桜の散り際を 二人で
愛おしむように見たかったのだ

あなたが前に行く 大きな
お尻だ スーパーに着いて
―もうすぐお誕生日ね―と
私を振り返り微笑み掛けた
22/04/09 18:04更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
良い天気が続きます。気持ちが好いです。

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