ポエム
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明るい朝
ぼくが恋をしたのできみは笑った
何故なら きみに恋をしたから―

夜明けに 海の水は塩辛い
ぼくの身体を塩漬けにする

ぼくの筋肉よ お前は沈む
海の中へ―昨日の太陽と同じに―

朝がくると お前は隆起する
まるで 土地の名前のように―

きみの両手が優しくぼくの心臓を覆うので
ぼくのキスは―ありがとう と言った

海の匂いが懐かしいから
ぼくの中の海はぼくの四肢を濡らした

太陽が 昇った
ぼくは欠伸をした

猫がとぼけた顔をして
明るい窓の下でぼくを見上げる

風は緑に アジサイの花は
まだ白く眠っている

カラスが一羽 声高にゆく
春の晴れ間の太陽の黒点―

どうやらぼくは眠っていたらしい
それがこんなにも目覚めている

きみよ ぼくはきみと歩いてゆくだろう
きみは眠りの縁で 黒く耀く夜を見下ろす

夜と朝が入れ違い 目蓋の奥で
シャボン玉が幾つも弾ける

朝がきました 海の祭典は目まぐるしく
きみはシーツの上で寝返りを打つ
22/03/17 19:43更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
小鳥の啼き声が、目指す空を誇るように高らかです。

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