ポエム
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陽光
溢れてくる風に乗り
翼を大きく広げて
深呼吸をすれば
紛れもなく春の予感だ

霜焼けは痒くなり
それを微笑みながら
知らぬうちに掻いている
これも陽光への恩返しと知る

小鳥たちが一斉に飛び立つ
美しい啼き声を響かせながら
小枝から大空へ向かってゆく
彼らは季節を体内で消化する

コーヒーを淹れてみた
口を真水ですすいで
ひと口目を啜る 空気が
琥珀に諧和して喉を快く滑ってゆく

食パンを一枚焼いて
たっぷりとマーガリンを塗る
それが口の中で様々な音階を
蓄えるようにしながら溶けてゆく

猫が小走りに道をゆく
―もうすぐお前たちの出番だね―
自然と綻んだ両頬へ
陽光は既に陽炎さえ浮かべて―
22/01/21 01:03更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
確実に春に向かっていますね。

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