ポエム
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陽炎
撒水車の周りに虹が起こった
もうじき夏が終わり 秋の
ふかあいライオンのような
口が開かれようとする真昼―

ぼくはコーラを飲みながら
噴水の横に佇んでいた
ここでも小さな明るい虹が見える
鳩が群れて首を突き出して歩いている

黒点から放射された 何年か前の
ぼくの黒い影―それがネガであるなら
今の表情は このゲップはポジであるだろう

コーラの缶をゴミ箱に捨てて
歩き出す直前 撒水車の配った水が
陽炎のように花に呼吸されていた
20/08/11 22:46更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
過去は、想い出でいっぱい。今は、現実で覆われています。未来は、明日は、ひっくるめて、可能性の渦です。

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