ポエム
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命として―
花の生命の感性に 深く
耳を傾けてゆくと 土の中の
根に新しい感覚が宿るのだ
それは空の裂開に連なる
小鳥たちとの共生の約束だが
その時として 朝が選ばれる
小川は緑の苔を潤し
咲き始めた彼岸花の
笑顔を誘う 少しゆくと
道路わきのブドウ畑に
ひときわ煌めくひと房があった
それを見届け―今年も来たな―
と思うのである スーパーに
行ってリンゴを一つだけ買い
ジーンズでこすって食べる
その酸味が 開けっ放しの
空気に反応して 輝きながら
喉の奥に虹を作るのであった
帰って水を一杯飲むと
台所で秋の虫が一匹
ピョンと力強く跳ねていったよ
21/09/17 16:52更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
台風が近づいているようです。もう、すっかり秋ですね。

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