ポエム
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朝焼け
静謐がひとつ 夜に展けてゆくのか
朝の饒舌を予告して それは星の
落下を早める 月が脳細胞を
甦らせるために 私を正しく眠らせる

夢を語らせる醒め際 私の血管は
太くなり そこを幾艘もの漁船が往く
夜更けに網を揚げ 午前三時に
競りに出されるその収穫物よ

指で示されるその値段のなんと美しい
ことだろう 微笑みながら金銀が
沙漠の中から掘り返されるようだ

やや疲れた足取りで帰る私に
朝飯を奢ろう―と言ってくれた仲間
彼もまた大漁だったに違いない
21/08/01 19:58更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
暑さは、これからですね。

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