ポエム
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音になる、声を出す
僕ら生まれ出た時から
楽器をひとつずつ持っている
大きな 小さな…
硬く  柔らかい…
重い  軽やかな…
音色を響かせるものを 一人一つ
顔も知らない誰かの耳に
エコーを残すため

白い独房の中で人は一生を過ごす
体からは離れられないけれど
足をつける場所は互いに遠すぎて
僕ら きっと独りだ

孤独を繋ぐための
さよならとか ありがとうとかの
言葉の代わりに音がある
それは分かるけど
恥ずかしいんだ 見えないことが
肩透かしくらったみたいに
君が苦笑する意味が

そんな僕も いつの日か
聞き届けられなかった音を
木漏れ日のすきまに見つけて
拾い上げることができるのだろうか
そうしたら 磨き忘れた楽器の錆びを
きれいに取り除いて
最初のメロディから 歌い直そうか

24/02/12 10:17更新 / 末葉一々



談話室



■作者メッセージ
オカリナの、あのコロっとした形状が好きです。
ただ実際に触ったことはありません。

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