ポエム
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たそがれ
十年前から変わらない街並
都心の隅、半端な田舎
閑散とした路地ばかり
そのくせコンクリで固めてるから
土の柔らかさを僕は知らない

遊具一つも無い公園
低い空を貫けないビル
禿げて枯れ果てた山々
人の影が伸びて

夕方五時の歌が聞こえて
赤黒い夕陽が遠くを焦がす
こんなにも悍ましいのに
誰も彼も俯き行き交う
過ぎ去る今日を見放して
明日へと一歩を踏み出した

十年後でも変わらない街並み
都会の端、郊外の市街
無人の畑が広がるばかり
淀んだ空気に触れていたから
昔々の澄んだ野山の感覚は
もう無くしてしまった

快速の止まらない駅のホーム
シャッターが閉じた居酒屋
人工の平原に咲く無骨な鉄塔
一つの影が伸びて

夕方五時の歌が聞こえる
焼き付くような夕陽の紅色
こんなにも痛ましいのに
誰も彼も振り向かない
やがて来る明日を見定めて
今日から一歩を踏み出した

23/11/09 00:12更新 / 末葉一々



談話室



■作者メッセージ
本当に、何も無いところなんですよ。

追伸:
ここ数日、体調が優れなかったため詩の投稿が中々できずにいました。現在は徐々に回復してきているので、前と同じようなペースで投稿することができるかと思われます。

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