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幼稚園生の遠足
今日私は重い教材を持って
学校に行こうとしていた。
最寄駅に向かう途中、
近所の幼稚園の先生と園児が
近くの公園で虫を追いかけていた。
園児の目はキラキラしていた。
先生も園児と一緒に微笑んでいた。
園児の目はとてもキラキラしていた。
ワクワクした気持ちが見えた。
近所の公園であろうと、
小さな遠足なのだろう。

そして私は思い出した。



幼稚園生の頃の話。


幼稚園が終わって先生とさよならをしたあと、
お母さんと友達と友達のお母さんと
門をくぐって、
近くの公園にまず直行。
砂場で遊んだり、木登りをしたり、泥団子を作ったり、遊具を使って走り回ったり。
そうやって毎日公園で好きなことをした。
それが当たり前の毎日だった。


ある日
遠足という名前で
普段は園内にいる時間帯に
その近所の公園に行くことがあった。

ただのいつもの公園に行って遊ぶだけ。
それだけのはずなのに、
朝、目はぱっちり開くし、
支度の段取りは過去一早く、
スキップをするように軽やかに幼稚園に向かった。

挨拶をして、
みんなでおしゃべりしながら公園に行く準備をした。
教室はいつも以上に活気にあふれていた。
慌ただしい動きの中、
みんな一瞬できれいな列になって、
「せんせー、もーいこーよー」。

先生の後ろにみんなで列になって、
いつもと違う時間に門をくぐる。
公園に着くまでの時間は
今どこを歩いているか忘れるくらい
ワクワクして「遠足」に夢中になって歩いた。

公園についたら、
その公園がいつもより広く感じた。
すぐにでもここで走りなって
公園が言っている気がした。
いつもの公園でない気がした。
虫達もいつも以上によく飛んでいる気がした。



そんな、
日常の景色が特別に感じるときの感覚を
ふと、
それも鮮明に思い出したのだ。

こんな幸せを大人になっても日々感じたいと思った。
21/08/16 09:25更新 / すず



談話室



■作者メッセージ
小さな子どもを見ると新鮮な気持ちになります。

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