ポエム
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幼稚園の先生と思春期の私
今日、
私が幼稚園生だった頃大好きだった先生と
踏切ですれ違った。

幼稚園生だった頃は
せんせいは
絶対優しくて、
100%正しくて、
わたしたちの笑顔を見たい
それだけのために色々してくれてて、
わたしたち子ども全員を心の底から大好きで、
限界まで可愛がってくれて、
大切にしてくれて、
卒園式では一生で1番悲しい日だとでもいうかのように、
泣いてくれている。
そう思っていた。

幼稚園生だった頃は
そんなせんせいこそ人間のあるべき正しい姿で、
わたしたちもいずれこんな完璧な人間になるんだろうなって、
そう思っていた。

でも、
高校生である今
そんな完璧な人はいないんだって、
確信してしまっている。

高校生である今
どんな人にも好きな人苦手な人がいることを知って、
人のことを簡単に信じられない。

だから、
私は
今まで完璧だと思っていた
憧れだった先生のことも
信じられないのである。

私は少し悲しくなった。

あの頃の、
弱いけど清く美しい無垢な心は

楽しかったり、辛かったり、嬉しかったり、苦しかったり、
イライラしたり、スッキリしたり、悔しかったり、わくわくしたり、
本当に沢山の経験を通して、

いまだ、
正しかったのか間違っていたのか分からない、
これからも分かることのない、
沢山の経験を通して、

十人十色、いろんな人との出会いもあって、

いつの間にか、

汚れてしまってたんだ。

私はいつまでも
先生を信じていたかった。







21/11/28 23:40更新 / すず



談話室



■作者メッセージ
書いた詩が溜まっているので、毎日少しずつ載せます。
1日2つずつ出したらあっという間よね。

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