ポエム
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春の海と巻末の栞。
毎夜の闇と不安の中で
期限を知ったあの日から
何を一番に願って居ますでしょうか

気丈に歩を進めながら
弱さを隠すために
一度も振り返らなかった姿は
戦地に赴く若き当時を彷彿させて
胸が締まる思いでした

見送る事がかなわなかった
妻の思いを代弁し
私は心を汲み取れるでしょうか


『ただ
文句の1つでもいってやりたい
バカ野郎って』

どんな苦難も一緒に乗り越えてきたのに
何で何も言わず
先に行くのか
先々歩く背中を黙ってついてきたのに
最後の最後まで
何で背中すら見せないの、と

怒りで何とか感情を受けとめる言葉は

人のむき出しな感情の
繊細さを教えていて
気持ちの裏側が温かいモノだと
撫でたくなる


溢れた涙が優しさいっぱいで
100年の夫婦の歴史に
私は
ただ今日も
頷くばかりだ。



21/06/23 18:39更新 / 黒百合



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