ポエム
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入り江で
たった一粒溢した涙に
幾つもの波が寄せては返し

潮騒と共に流れ来る

素足が水を弾く音
誰かの無垢な笑い声

砂と貝殻で創った家は
波に儚く崩れ落ち

均された跡に滲み出る

選ばなかった道の地図
見知らぬ懐かしい名前

濡れた瞳を水面に映す
この小さな入り江で 僕は夜毎
淡く照らされた水平線が
結び目を変える時を待つ

たった一粒溢した涙に
幾つもの波が寄せては返し

素足が水を弾く音
選ばなかった道の地図

砂と貝殻で創った家は
波に儚く崩れ落ち

誰かの無垢な笑い声
見知らぬ懐かしい名前

夢の欠片を水面に映す
この小さな入り江で 僕は夜毎
23/02/10 21:35更新 / わたなべ



談話室



■作者メッセージ
溢した(こぼした)
幾つ(いくつ)
無垢(むく)
創った(つくった)
均された(ならされた)
水面(みなも)
欠片(かけら)
です。

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