ポエム
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通りで
通りでからすが鳴いていた
自分で荒らしたごみを見下ろして
やるせなさに肩を落として
しゃがれた声で鳴いていた

袋からぶちまけられたごみは
薄汚い物ばかりだった
ハンカチ 帽子 アップリケ
どれもかびまみれだった

傍では子供が泣いていた
顔のない母親に抱きついて
行きたくないと駄々をこねて
か弱い声で泣いていた

やがて笑顔の園児達を乗せた
大きなバスがやって来た
怯える子供を一飲みにして
唸りながら走っていった

からすも母親も去った後
あっという間に日が暮れて
踏まれて寄れたごみだけが
街灯に照らされていた

収集車が来ることのない通りに
誰かがまたごみ袋を置いた
わざと結び目を緩くして
道の真ん中に置いた
23/02/10 21:44更新 / わたなべ



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