爆心地
丘の上 寂しく佇むポプラの木
枝に腰かけた子ども達が草笛を吹く
あどけない旋律を飲み込むように
火薬の乱痴気騒ぎが押し寄せて
それは不恰好な歌 背伸びした歌
瞼に焼き付いた荒れ地を
震えながら撫で回す歌
無数の穴が満足げに吐いた溜息は
小さな手の平からささくれ立った指を伸ばして
入道雲に血を滲ませた後
溶けるように消えていった
爆撃機が赤黒い空を誇らしげに
トンボの群れと並んで駆けていった
風が雨の降り出す前の匂いを
巻き上げながら過ぎていった
丘の上 寂しく佇むポプラの木
枝に残された枯葉が囁きかける
迎えに来たカナリヤの羽の中
微睡みだした子ども達に向けて
それは懐かしい歌 愛おしい歌
爆心地へと飛び立つ心を
震えながら抱き締める歌
枝に腰かけた子ども達が草笛を吹く
あどけない旋律を飲み込むように
火薬の乱痴気騒ぎが押し寄せて
それは不恰好な歌 背伸びした歌
瞼に焼き付いた荒れ地を
震えながら撫で回す歌
無数の穴が満足げに吐いた溜息は
小さな手の平からささくれ立った指を伸ばして
入道雲に血を滲ませた後
溶けるように消えていった
爆撃機が赤黒い空を誇らしげに
トンボの群れと並んで駆けていった
風が雨の降り出す前の匂いを
巻き上げながら過ぎていった
丘の上 寂しく佇むポプラの木
枝に残された枯葉が囁きかける
迎えに来たカナリヤの羽の中
微睡みだした子ども達に向けて
それは懐かしい歌 愛おしい歌
爆心地へと飛び立つ心を
震えながら抱き締める歌