郷愁
蜃気楼の中浮かぶ孤島に
僕の知らない家
小さな庭では風に吹かれ
四季の花が揺れている
幼い頃に祖母が聴かせた
おとぎ話はどれも皆
不思議な余韻を持っていた
蜜の香りや 光る屋根
窓にもたれ俯いている
見覚えのない女性
石の様に冷たい瞳と
赤錆で染まった唇
僕が胸をときめかせた
様々な人の面影に
いつも誰かが佇んでいた
名前も言わず 振り向きもせず
細い指がそっと捲る
僕を書き記した本
寝息のような囁きで
読み進めていく声がする
深い星月夜の底に
色褪せた揺りかごを浮かべ
一人静かに彷徨った
郷愁の波に 舵を任せ
自分を疑い苛む度に
僕は何処へ帰るのだろう
胸の隙間を溢れ出た泡が
目尻を濡らし頬を伝う
僕の知らない家
小さな庭では風に吹かれ
四季の花が揺れている
幼い頃に祖母が聴かせた
おとぎ話はどれも皆
不思議な余韻を持っていた
蜜の香りや 光る屋根
窓にもたれ俯いている
見覚えのない女性
石の様に冷たい瞳と
赤錆で染まった唇
僕が胸をときめかせた
様々な人の面影に
いつも誰かが佇んでいた
名前も言わず 振り向きもせず
細い指がそっと捲る
僕を書き記した本
寝息のような囁きで
読み進めていく声がする
深い星月夜の底に
色褪せた揺りかごを浮かべ
一人静かに彷徨った
郷愁の波に 舵を任せ
自分を疑い苛む度に
僕は何処へ帰るのだろう
胸の隙間を溢れ出た泡が
目尻を濡らし頬を伝う