赤い沖
僕ら二人は向かいあった小島から
互いを遠く見つめていた
あの子の足元で蕾が花開くと
僕の背後で木が葉を落とした
僕らの間では潮騒が響いて
マストの折れた船が沈みかけていた
吹き付ける生温い風が
黄ばんだ帆を揺らしていた
背丈の低いあの子の方が
何故か僕よりも影を長く伸ばしていた
あの子が叫んだ言葉を僕は聴き取れなかった
それは海猫の鳴き声のように甲高かった
水平線からこちらを覗き込む太陽は
一向に沈む気配がなかった
だから僕らの目と頬は
いつまでも赤く染まっていた
互いを遠く見つめていた
あの子の足元で蕾が花開くと
僕の背後で木が葉を落とした
僕らの間では潮騒が響いて
マストの折れた船が沈みかけていた
吹き付ける生温い風が
黄ばんだ帆を揺らしていた
背丈の低いあの子の方が
何故か僕よりも影を長く伸ばしていた
あの子が叫んだ言葉を僕は聴き取れなかった
それは海猫の鳴き声のように甲高かった
水平線からこちらを覗き込む太陽は
一向に沈む気配がなかった
だから僕らの目と頬は
いつまでも赤く染まっていた