雨が止まない
いつからか
雨が止まなくなった
街中のバケツや雨どいが溢れても止まなかった
野良猫やからす達は
その水のほろ苦さなど
気にすることもなく喉を潤した
彼らは子供を産み
日毎に悲しい顔の動物が殖えた
人は誰も
家を持たなくなった
虚ろな眼差しであてもなく歩き続けた
脚が動かなくなれば
湿気た薪束の前に腰を下ろし
眠ることなく
瞳の奥で火種がつくのを待った
押し寄せる雨音を掻き消す音楽を待った
どこからか
幼子の笛吹は来た
散りばめられた星のように 屋根や電線の上
おぼろな輪郭を瞬かせていた
錆びた街を無邪気に撫でまわす
小さな手のひらのような音色に
人は膝を抱えて聴き入り
何かに怯えるように震えた
少しずつ
地平線は退いていった
歩けば歩く程 より一層遠くなった
もう太陽は辿り着くことが出来ない距離だった
雲は流れゆく旅路を見失った
雨は止むことなく
街を 人を 動物を
いつまでも濡らし続けた
雨が止まなくなった
街中のバケツや雨どいが溢れても止まなかった
野良猫やからす達は
その水のほろ苦さなど
気にすることもなく喉を潤した
彼らは子供を産み
日毎に悲しい顔の動物が殖えた
人は誰も
家を持たなくなった
虚ろな眼差しであてもなく歩き続けた
脚が動かなくなれば
湿気た薪束の前に腰を下ろし
眠ることなく
瞳の奥で火種がつくのを待った
押し寄せる雨音を掻き消す音楽を待った
どこからか
幼子の笛吹は来た
散りばめられた星のように 屋根や電線の上
おぼろな輪郭を瞬かせていた
錆びた街を無邪気に撫でまわす
小さな手のひらのような音色に
人は膝を抱えて聴き入り
何かに怯えるように震えた
少しずつ
地平線は退いていった
歩けば歩く程 より一層遠くなった
もう太陽は辿り着くことが出来ない距離だった
雲は流れゆく旅路を見失った
雨は止むことなく
街を 人を 動物を
いつまでも濡らし続けた