境目の家路
寂しく濁ったとぎ汁を
母さんが流したのだ
それは町に染み込んでいき
僕のシャツにも
あの子のサンダルにも
地平線へと後ずさりする
かげろうを追いかけるように
ヒグラシが鳴き始め
水田が光る
ブナ林が揺れる
家と山とを優しく結ぶ
十字路には二つの絵の具が
道路反射鏡にも塗られ
さよならの赤
もう少しの青
ゆっくりと姿を隠す雲を
見上げる案山子は斜め立ち
飾りの麦わらも直さず
星を待っている
月を待っている
母さんが流したのだ
それは町に染み込んでいき
僕のシャツにも
あの子のサンダルにも
地平線へと後ずさりする
かげろうを追いかけるように
ヒグラシが鳴き始め
水田が光る
ブナ林が揺れる
家と山とを優しく結ぶ
十字路には二つの絵の具が
道路反射鏡にも塗られ
さよならの赤
もう少しの青
ゆっくりと姿を隠す雲を
見上げる案山子は斜め立ち
飾りの麦わらも直さず
星を待っている
月を待っている