子どもたちが空に登っていったよ
光をみつけたカナブンみたいに
ふらりふらりと空気の段を
危なっかしく登っていったよ

どこに行くの　どこに行くの
幸せになるの　子どもたち

僕は彼らの後姿を見おくったよ
夢遊病者みたいな瞳で
青い望遠鏡を覗きこんで
名残惜しそうに見おくったよ

行かないでよ　行かないでよ
まだ遊ぼうよ　子どもたち

夕日が沈んでいった方角の
山のてっぺんの摩天楼から
嘘のかけらがばらまかれて
今夜も空はきれいな色だよ