子供たちが降りてくる夜は
裸の子供たちが笑いながら
目玉の裏の薄暗い粘膜で泳ぐ夜は
窓の向こうに浮かぶ満月の輪郭が滲んで
シーツに染み付いたおねしょの跡になる
僕はもう子供の頃のようには泳げない
泳ぎ方は思い出せるけれど 思い出せるだけで
いつからか地に足を付けて歩くようになった
性器のない子供たちが泣きながら
鼓膜の裏の薄暗い粘膜で歌う夜は
壁の向こうから漏れてくる怒鳴り声の調子が変わって
祖母が聴かせてくれたゆりかごの歌になる
僕はもう子供の頃のようには歌えない
歌い方は思い出せるけれど 思い出せるだけで
いつからか不器用に笑うようになった
綺麗な色の子供たちが光りながら
綺麗な色のままで降りてくる夜は
とりとめのない思い出が優しく砕かれて
僕の淵へと続く砂利道になる
目玉の裏の薄暗い粘膜で泳ぐ夜は
窓の向こうに浮かぶ満月の輪郭が滲んで
シーツに染み付いたおねしょの跡になる
僕はもう子供の頃のようには泳げない
泳ぎ方は思い出せるけれど 思い出せるだけで
いつからか地に足を付けて歩くようになった
性器のない子供たちが泣きながら
鼓膜の裏の薄暗い粘膜で歌う夜は
壁の向こうから漏れてくる怒鳴り声の調子が変わって
祖母が聴かせてくれたゆりかごの歌になる
僕はもう子供の頃のようには歌えない
歌い方は思い出せるけれど 思い出せるだけで
いつからか不器用に笑うようになった
綺麗な色の子供たちが光りながら
綺麗な色のままで降りてくる夜は
とりとめのない思い出が優しく砕かれて
僕の淵へと続く砂利道になる
25/11/25 12:33更新 / わたなべ