今を生きる日々を送るようになってから
居間の白いカーテンの裾に
いつからかカビが点々と生え出した
起き抜けの口臭が気にならなくなった代わりに
瞼の開きが悪くなった
無意識から滲み出てくる夢の片隅に
いつも風船の束を持った子供が立っている
生温い風に揺れる色とりどりの風船には
見知った人達の顔が描かれていて
年老いた両親や死んだ祖父母に
遠い昔に別れたきりの彼女
たった一人の友人 気が合わない同僚
皆揃っていやらしく笑いかけてくるから
ある朝には黒く変色した灰皿で
また別の朝には空のビール瓶で
顔を一つ残らず叩き割る
それを見て怯える子供の頭も叩き割る
今を生きる日々を送るようになってから
朝が憂鬱になった
コーヒーを飲んでも胃が疼かなくなった代わりに
目のかすみが治らなくなった
いつからかカビが点々と生え出した
起き抜けの口臭が気にならなくなった代わりに
瞼の開きが悪くなった
無意識から滲み出てくる夢の片隅に
いつも風船の束を持った子供が立っている
生温い風に揺れる色とりどりの風船には
見知った人達の顔が描かれていて
年老いた両親や死んだ祖父母に
遠い昔に別れたきりの彼女
たった一人の友人 気が合わない同僚
皆揃っていやらしく笑いかけてくるから
ある朝には黒く変色した灰皿で
また別の朝には空のビール瓶で
顔を一つ残らず叩き割る
それを見て怯える子供の頭も叩き割る
今を生きる日々を送るようになってから
朝が憂鬱になった
コーヒーを飲んでも胃が疼かなくなった代わりに
目のかすみが治らなくなった