僕は魚です
僕は淡いピンクの泡を吐きながら
憂鬱の波を立てる魚です
涙で薄まった血の海を
ぼんやりと漂う魚です
なぜ生まれたのか 誰に育ててもらったのか
僕にはさっぱり分かりません
不器用で上手く泳げない
惨めな魚です
けれどどんな風に死ぬのかは
分かるような気がします
あちらこちらで光る釣り針に
胸がときめいてしまうのです
僕は魚です 惨めな魚です
観賞魚には向いていません
誰かに食べられてしまう方が
性に合っていると思います
僕は魚です 食べるのは人間です
僕は食べられる側です
骨も柔らかくなるくらい煮込まれて
食べられてしまいたいのです
憂鬱の波を立てる魚です
涙で薄まった血の海を
ぼんやりと漂う魚です
なぜ生まれたのか 誰に育ててもらったのか
僕にはさっぱり分かりません
不器用で上手く泳げない
惨めな魚です
けれどどんな風に死ぬのかは
分かるような気がします
あちらこちらで光る釣り針に
胸がときめいてしまうのです
僕は魚です 惨めな魚です
観賞魚には向いていません
誰かに食べられてしまう方が
性に合っていると思います
僕は魚です 食べるのは人間です
僕は食べられる側です
骨も柔らかくなるくらい煮込まれて
食べられてしまいたいのです