夜の海と桟橋の夢
昨日の夢はやけに静かで
僕は鍵っ子だった頃を思い出した
杭の腐った桟橋が
沖に迷路を描いていた
黒い海はぬらぬらと水面を揺らして
何かを隠しているようだった
か弱い月明かりが気まぐれに
水面を白く引っ掻いていた
橋の上に人影はなくて
水中も殆ど見えなかったけれど
そこかしこに誰かの気配が漂っていた
それは懐かしくて 少しよそよそしかった
僕は淋しさよりも苛立ちのせいで
体の震えが止まらなかった
釣り竿を握りしめていたけれど
飛び込みたくて仕方がなかった
僕は鍵っ子だった頃を思い出した
杭の腐った桟橋が
沖に迷路を描いていた
黒い海はぬらぬらと水面を揺らして
何かを隠しているようだった
か弱い月明かりが気まぐれに
水面を白く引っ掻いていた
橋の上に人影はなくて
水中も殆ど見えなかったけれど
そこかしこに誰かの気配が漂っていた
それは懐かしくて 少しよそよそしかった
僕は淋しさよりも苛立ちのせいで
体の震えが止まらなかった
釣り竿を握りしめていたけれど
飛び込みたくて仕方がなかった