ポエム
[TOP]
ふと気付いたら
次の電柱を通り過ぎるまでは
帰ったら何をして遊ぶか考えておこうと思った
けれどふと気付いたら
仕事のことばかり考えながら通り過ぎていた

その次の電柱を通り過ぎるまでは
明日あの娘に伝える気持ちを考えておこうと思った
けれどふと気付いたら
子供のことばかり考えながら通り過ぎていた

次の角を曲がるまでは
将来の夢を考えてみようと思った
けれどふと気付いたら
お金のことばかり考えながら曲がっていた

その次の角を曲がるまでは
楽しいことを考えてみようと思った
けれどふと気付いたら
悲しいことばかり考えながら曲がっていた

頭がおかしくなったのかと心配したけれど
もう家の近くまで来ていたから
考えることはやめようと思った
笑顔でただいまと言おうと思った

けれどふと気付いたら
お墓の前に立っていた
僕はもう何も考える必要がないんだと思って
行ってきますと呟いた
24/02/22 08:08更新 / わたなべ



談話室



■作者メッセージ
あの娘(あのこ)
です。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c