ゆめ
ああ この声は聴こえていますか
月の姿で僕らを見守るお母様
昨日も僕は見たのです
馬にさせようと走り込まされ
ヒズメを割った優しいロバを
だらりと耳を垂らした姿は
安らげるときを信じて耐えていたのです
どうか彼がまどろむ間だけは
風の吹く草原に連れていってあげてください
草を食べてのんびりすれば
傷をおった足もきっと
また軽やかに踏み鳴らせるでしょうから
ああ この願いは聴こえていますか
月の光で僕らを照らす女神様
今日も僕は見たのです
幹線道路の下のどぶ川で
静かに漂う健気な鯉を
ぱくぱくと口を開けた姿は
笑えるときを信じて唄っていたのです
どうか彼がまどろむ間だけは
川を夜空へつなげてあげてください
星の隙間で無邪気に泳げば
どろで汚れた鱗もきっと
きれいな色を取り戻せるでしょうから
ああ ここまで降りてきてください
月にうつされたまぼろしのあなた様
明日も僕は見るのです
迷路のような摩天楼の根元で
ふるさとを求めさまよう夢を
そのうちに疲れて立ち止まり
滲んだ目のままで遠く見上げるのです
どうか闇に溶けきってしまう前に
あの懐かしい町の匂いを届けてください
おもいでに涙を流せば
干からびていた心もきっと
ぬくもりをもって膨らみ出すでしょうから
月の姿で僕らを見守るお母様
昨日も僕は見たのです
馬にさせようと走り込まされ
ヒズメを割った優しいロバを
だらりと耳を垂らした姿は
安らげるときを信じて耐えていたのです
どうか彼がまどろむ間だけは
風の吹く草原に連れていってあげてください
草を食べてのんびりすれば
傷をおった足もきっと
また軽やかに踏み鳴らせるでしょうから
ああ この願いは聴こえていますか
月の光で僕らを照らす女神様
今日も僕は見たのです
幹線道路の下のどぶ川で
静かに漂う健気な鯉を
ぱくぱくと口を開けた姿は
笑えるときを信じて唄っていたのです
どうか彼がまどろむ間だけは
川を夜空へつなげてあげてください
星の隙間で無邪気に泳げば
どろで汚れた鱗もきっと
きれいな色を取り戻せるでしょうから
ああ ここまで降りてきてください
月にうつされたまぼろしのあなた様
明日も僕は見るのです
迷路のような摩天楼の根元で
ふるさとを求めさまよう夢を
そのうちに疲れて立ち止まり
滲んだ目のままで遠く見上げるのです
どうか闇に溶けきってしまう前に
あの懐かしい町の匂いを届けてください
おもいでに涙を流せば
干からびていた心もきっと
ぬくもりをもって膨らみ出すでしょうから