ポエム
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一人
また 今日も一人でした
沢山の人と会って 笑って 退屈もして
空が青から赤に変わっていくのを
視界の片隅で感じながら
僕は 今日も一人でした

同じ帰り道を 同じ靴で
同じ速さで歩きました
同じ味のジュースを 同じ自動販売機で
同じ時間に買いました

とん とん とん と
胸が同じリズムで鳴っているのを
安心して聴いていました

きっと 明日も一人です
沢山の景色を見て 笑って 退屈もして
微かな星明かりが空に零れるを
瞼の裏側で感じながら
僕は 明日も一人です

同じ顔の人が 同じ声で
違う言葉を話していても
同じ形の家から 同じ暖かさで
違う匂いが漂ってきても

とん とん とん と
心の安らぎを醒まさないように
同じリズムで靴音を鳴らして

僕は ずっと一人です
23/02/10 21:22更新 / わたなべ



談話室



■作者メッセージ
靴(くつ)
微かな(かすかな)
零れる(こぼれる)
瞼(まぶた)
漂って(ただよって)
醒まさない(さまさない)
です。

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