幻想の代々木
センター街の喧騒を抜けて
原宿の方へ向かって歩く。
低俗なアルコールとニコチンで重くなった脳を引きずりながら。
NHKの前の広場はスケボーの集団や謎の競技を行っている外国人に占拠されている。
それをくぐり抜けて代々木の木の中に入っていくと、ちょうどゲリラ雨が降ってきた。
皆、蜘蛛の子散らすように大雨から逃げていく。
木に伝って落ちてくる少しの雨は気にならない。
倦怠感と眠さが雨と同化する。木にもたれかかりながら暗闇の中へ溶け込んでいく。
いつの間にか眠りに落ちていた。
深夜、もう朝も近い深夜。
あまりの寒さに目を覚ますと、私は木と草の露と雨に濡れてぐっしょりとなっていた。
あたりは月の光と街灯に照らされて仄白く光っている。月の光が霧と芝を介して綿の空間を作り出している。
水溜まりだらけの道に早朝ランナーの姿さえおらず、副都心のど真ん中は異様に静かであった。
身震いしながら、木を手すりにして立ち上がるとグッと伸びをする。
気持ちい朝だ、そう思った瞬間、二日酔いと冷え切ったせいで体がガタガタと震える。
伸びた分だけ脳天から振り落とされたような痛みで地面に叩きつけられる。
湿った芝生に倒れ込むとあらゆる痛みが体内を這いずり回り主張する。
少しでも楽な仰向けの体制へ移行し、上をみる。
綿の空間に引きずり込まれそうになりながら、再び眠りに落ちる。目覚めを願いながら。
ここは代々木。東京の真ん中。
原宿の方へ向かって歩く。
低俗なアルコールとニコチンで重くなった脳を引きずりながら。
NHKの前の広場はスケボーの集団や謎の競技を行っている外国人に占拠されている。
それをくぐり抜けて代々木の木の中に入っていくと、ちょうどゲリラ雨が降ってきた。
皆、蜘蛛の子散らすように大雨から逃げていく。
木に伝って落ちてくる少しの雨は気にならない。
倦怠感と眠さが雨と同化する。木にもたれかかりながら暗闇の中へ溶け込んでいく。
いつの間にか眠りに落ちていた。
深夜、もう朝も近い深夜。
あまりの寒さに目を覚ますと、私は木と草の露と雨に濡れてぐっしょりとなっていた。
あたりは月の光と街灯に照らされて仄白く光っている。月の光が霧と芝を介して綿の空間を作り出している。
水溜まりだらけの道に早朝ランナーの姿さえおらず、副都心のど真ん中は異様に静かであった。
身震いしながら、木を手すりにして立ち上がるとグッと伸びをする。
気持ちい朝だ、そう思った瞬間、二日酔いと冷え切ったせいで体がガタガタと震える。
伸びた分だけ脳天から振り落とされたような痛みで地面に叩きつけられる。
湿った芝生に倒れ込むとあらゆる痛みが体内を這いずり回り主張する。
少しでも楽な仰向けの体制へ移行し、上をみる。
綿の空間に引きずり込まれそうになりながら、再び眠りに落ちる。目覚めを願いながら。
ここは代々木。東京の真ん中。