ポエム
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夜道
夜の住宅街を
一人で歩く
人一人っ子いない
なぜなら
みんな防犯パトロールに駆逐されてしまったからだ

カバンが揺れる
それに伴って
ビチャビチャと音がついてくる
カバンの揺れに合わせて気配を消そうなんて
傲慢ではないか

「そこだっ!」

後ろを振り向く
だが、誰もいない

「夜の静寂を破るものよ。
 住宅街の平和を破壊するものよ、出てこい。」

やはり物音はしない。

「ふふふ、まるで陳腐な怪物よ。
 歩き出したらまた私を追いかけ出して狂わそうとするのであろう。」

そうだ、バッグがいけない。
バッグが私を撹乱させている。

そうして私がバッグを投げ捨てると出てきたのは
飲みかけの炭酸水。
振られてしまってまずいのなんの。

だが、もう怖くはない。
ボトルの分際で脅かしやがって。
21/10/12 22:57更新 / 很庸太郎



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