ポエム
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ニュータウン2
拝啓

歩いているだけで腹が立ってくる街並みをどうにか堪えて歩いています。
もう感じるのも嫌なのでイヤホンをして大音量でロックを流しています。
近頃はできるだけ目を開けないようにする練習に励んでいます。
なぜか流れている環境音楽は殺された日本狼の遠吠えに呪われています。
昨夜家の近くで道路の工事をしていたのですがまだペンキ塗りたて、アスファルトに入るな!という状態だったので私の体型をつけてやろうと思い立ったのですが危うく人間彫刻になるところでした。
どれもこれもこの街の所為なのです。
一刻も早くこの街から抜け出したいのです。
アスファルトは鉄板のようです。
我々を焼き尽くす気で居ます。どうかそちらも嫌な街ですから気を付けて。
夜は冷えます。アスファルトは氷になります。我々を気温差で苦しめようとしているのです。だからいつまで立っても夏服をしまえません。
どうやらこの文章の趣旨がアスファルトに対する文句に変わってしまっているようですが、この街の悪たる元凶はこのアスファルトにあると思います。
ですからこの街をもう初めよりレンガか鉄筋か何かで作り直した方が良いのです。
鉄筋は良いですな。馬鹿どもは鉄筋をコンクリで固めようとしますがそれはいけない。皆が鉄筋の家に住み、道路は鉄筋であればこれほど面白いことはない。皆、綱渡師のようになるのかしら。しかし日本人のことですからこういった神経のすり減ることは大好物なのです。
それでは我が最愛の物質を伝えたところでさようなら。
是非貴女のフェイバリットをご教授願いたくその日まで悶える日々を送っております。

                                   
                                 敬具
21/09/25 07:51更新 / 很庸太郎



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