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銀河の蛙と形而上学
銀河の蛙とは
水泡が弾ける金色の水の中
ではなく
その金色の液体としての銀河を包む
透明のボウリングのピンのようなものの
外に張り付いた
干涸びて死んでいる
もののことである。

非物質なのか
物質なのかは
この際問題でなく
銀河の蛙という
醜いものによって
この液化ゴールド宇宙は存在するのであり
それを数式によって解こう
などと考えるのは烏滸がましく
何より無粋である。

しかし
形而上学的存在の
真実はあまりに残酷であり
多くの数学者と哲学者の死人が出た。

或る哲学者はその蛙の存在の形而上を求めたが
薄いペットボトルの前に立ち
かの醜い妥協的絶対存在を目にすると
声を忘れ
やがて宇宙船の中で首をつった。
21/09/17 08:50更新 / 很庸太郎



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