ポエム
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あなたでないあなた
初めてあなたと話した時のこと

あなたと目が合った
あなたの目は私の目の玉を貫いた
あなたの視線はどこまでも強力であった

それは私を挑発し
あなたから放たれる視線から目を逸らしてはならないと私は私に言い聞かせた

だがそんな敵視するような気持ちはすぐにどこかへいってしまった
私はあなたがわからなくなった

あなたの目が揺らいだ
鼻も揺らいだ
口も耳も頬も髪の毛も揺らいだ

あなたは一体何者なのだ
これではまるでSFの宇宙人ではないか

そんなあなたは私に声をかける
その声ははっきりとした日本語であった

だが、私は僅かに期待していたのかもしれない
あなたがあなたのその表層でないことを
あなたがもう日本語など忘れてしまったことを

その時私は目を逸らした

あなたが一時見せたその隠された姿はあまりに魅力的であった
が、あなたはもう元のあなたであった

21/08/23 13:43更新 / 三太郎



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