ポエム
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畑のキャベツ
畑を削って家が建った


キャベツにその家の影があたって
寒そうだったから
その家の2階を壊そうとしたのだ

だけれど不器用な私は
何も考えずに壊し始めたものだから
2階は畑の方へズルズルと滑り落ちていった

もちろんキャベツはペシャンコだ

でも考え方を変えるのだ
あのまま影にあたり続けて未成熟なキャベツになるより
今、私が潰してあげたほうが良かったんじゃないか

そう考えてそこの畑のお爺さんに話をしたら
彼はなかなか話のわかる人だ

もう疲れたから
畑はやめて土地を売るとよ



そこにはまた新しい家が建った



私はふとその家の屋根に登ってみたのだ

夕日が長い長い私の影を作る

「影よ、どこまででも伸びるが良い」


どこまで伸びても
影が覆うキャベツはもうない
21/07/03 08:51更新 / 很庸太郎



談話室



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