ポエム
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キャベツ
あぁキャベツの葉が汚れている
この葉はもうだめだ

あぁまた汚れているではないか
取り除かなくては

どうしてこうも汚れているのであろうか
汚れたキャベツの葉を取り除くとき
次の葉は汚れていないだろうという希望も
またうち砕かれ
ゴミの方が多くなってしまったようだ

それどころか何もなくなってしまったではないか

ゴミを売れば良いのだ
この弁当の中に入っている千切りキャベツは
ゴミです

ゴミ箱に入ることのできなかったゴミです
しかし、ゴミ箱に入ることでゴミになるのであれば
これは入ることを免れたのでゴミではありません

これは汚れている美味しいキャベツです

いや、ゴミとは捨てられるような価値しか持たないからゴミである
つまりこのキャベツは汚れていて捨てたほうが良いのでゴミであるのではないか
第一汚れた部分だけ取り除けば良いではないか
いや、汚れていたキャベツにつながっていたということは大変よろしくないような気がする
しかしお前は表面の葉を取っただろう、芯を取るだろう
あれだって元々つながっていたのだ
だから客に対してこのキャベツの一部分は非常に汚れていて、芯はとっても硬くて食べられそうになく、表面には烏の糞までもがついていたということを伝えるべきなのだ
我々は一般常識に則って綺麗と言われるような部分を厳選して出品しているということも伝えるべきだ
しかも僕はたまたまこのキャベツとは長年の付き合いであるからよくあれのことを知っているのだ
そして今年に大雨があっただろう
その夜に犬が小便を引っ掛けたんだが雨と混じってあれの奥の方まで入り込んできたらしい
だから君が今持っていった弁当には少々犬の小便が入っていると思う
しかしあのキャベツは殺菌されているし一般常識に照らしてもそれくらいは大丈夫だと思うよ

(このキャベツには元々烏の糞やらさまざまな汚れがついていたがそこは取り除いたので安心である。またこのキャベツは栽培中に犬から小便を浴びているが殺菌、水洗いなどのため安全である。このこのお弁当の製作者はこう言った。「特に小便の味はしませんでしたよ」)
21/07/12 08:19更新 / 很庸太郎



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