ポエム
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片道切符
あなたの詩を何度も読んで、何度も何度も読んで

あなたの想いが心に入りすぎて

あなたの心を想いすぎて

あなたが想うあの人になれればいいのにと思った


あの人になれるわけもないのに

電車に乗れるわけもないのに


ただこの手に片道切符を握りしめて

ただ電車を見送って


今日もあの人への想いを抱いたまま電車に乗ってあなたが揺られていく


幾度となく移り行く季節を見ながら、初めて出会った時に想いを馳せながら、何度目の春が来るのかとあなたはきっと少し淋しそうに儚く、でもそれだけ想えたことが幸せだと笑うんだ。

かけた言葉に、かけられた言葉に愛して哀してやまなかった人を想いながら、あなたは座席に座り窓の外を眺めて今日も電車に揺られてる。

忘れてしまえば、深く深く想った気持ちが、時間が消えていくことが、思い出になっていくことが、たまらなく淋しいこと私も知ってるから。


だからあなたを乗せた電車に私は想いを馳せる

待っていればあなたを乗せた電車が私の前で止まるかもしれない


私はその時にそっと握りしめてた切符をあなたに渡すの




行くことはできても、帰るすべがない、一方向に一回だけ通用する切符。
それが片道切符。


だから私は毎日この手に片道切符を握りしめてあなたをここで同じ場所で、待ってます。

渡せた想いの数だけ
渡せなかった想いの数だけ

あなたを想っています。
19/04/06 22:11更新 / リリス



談話室



■作者メッセージ
読んで下さってありがとうございます(*^^*)

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