親友
ぜってえ仕返ししてやる、と
頬をさすり君が呟く
真っ赤な傷 黒ずむ痣
痛みを唾と吐いて
黄昏時のにおいがする
雨上がりのグラウンドで
掴んだ胸 振り払う腕
行き場を失くしていた
助けも 叫びも 僕は出来ない
どうにも こうにも 僕は弱い
お前はいいんだ、親友。
そのまままっすぐ
明日もまっすぐ、親友。
歩いてくれよな
こんな事は するな。
その夜ひとりで抜け出して
暗い路地に君が立つ
帰りを待つ ひとりひとり
不意打ちの怒り浴びせ
終わりの 見えない 灰色の鎖
荒んだ 目をした 灰色の記憶
お前は来るなよ、親友。
これから俺は
明日は一緒に、親友。
歩いてゆけない
だけどいいんだ 俺は。
助けも 救いも 僕は出来ずに
泣いても 喚いても 僕は弱い
お前はいいんだ、親友。
そのまままっすぐ
明日もまっすぐ、親友。
歩いてくれよな
こんな事は するな。
だけどいいんだ 俺は。