ポエム
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泣きたくなるほど、ノスタルジックな夏でした。
トボトボと真夏の
アスファルト歩き続けた
海に向かって歩く山道
振り返れば真っ白な陽炎
無口であまり喋らず
少し心を閉ざして生きてた君と
汗をかいた手のひら繋いで
決して放そうとしなかった

あの夏の坂道へ
想いだけを連れてゆく
あの夏の坂道で
思い出だけが残ってく

蝉時雨、瓦屋根、見えるはずのない海が広がる
瞼の奥に、山の向こうに、君のいない手をかざす

ポツポツと夕闇を
雨が切り裂くように降ってた
海沿いをずっと続く並木道
振り向けば真っ黒な曇り空
無口でずっと喋らず
少し心を凍らせて生きてる君の
濡れた背中を抱き寄せて
そのまま一緒に旅に出た

あの夏の坂道の
重い足取りを覚えてる
あの夏の坂道を
思い出だけ辿ってく

花吹雪、つくしんぼ、居るはずのない君が笑ってる
街の明かりに、海の彼方に、君の残したぬくもりを探す

蝉時雨、瓦屋根、見えるはずのない海が広がる
瞼の奥に、山の向こうに、君のいない手をかざす
21/01/16 20:15更新 / キッド



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