この街にもう
季節は巡らない
この街にもう
奇跡は起らない

舗装された毎日を
トボトボ歩く大人たち
背広すら着ることなく
作業着が擦り切れても
ネクタイも革靴もなく
仕事だけはあるけれど

この街にもう
季節は巡らない
この街にもう
奇跡は起らない

排気ガスの通学路を
並んで歩く子供たち
夢見る義務だけを背負って
現実からは目を背けられて
疑いや争いも無い
社会からは目を背けられて

季節のない街に生まれて
遥かなる嵐が丘を探して
季節のない街に埋もれて
遥かなる空の彼方見上げて

冷たい世界の片隅で
すれ違う大人と子供
憧れることも無く
羨むことすら無く
現実から目を背け合って

色のない世界の片隅で
逆さまの世界の片隅で
すれ違う大人と子供
見知った顔も無く
聞きなれた声も無く
季節のない街に生まれて
遥かなる嵐が丘を探して
季節のない街に埋もれて
遥かなる空の彼方見上げて

この街にもう
季節は巡らない
この街にもう
奇跡は起らない