ガムの死
駅。階段。その梁。くっついたガム。
ふまれて、ねじれて、乾いて、たまに濡れて、また乾いて、踏まれる。
踏まれる。踏まれる。踏まれ続けている、靴底で何度も何度も。
どんどん黒くなる。どんどん固くなる。
もはやガムであったことすら分からぬ。もはやただの黒い斑点である。
それでもまだ踏まれる。人はガムを踏んだと思っていない。
でも、ガムは踏まれているのだ現に。でも、それはもうガムではない。
埋もれてゆく。硬い、包容力の欠片もない、無機質な冷たいコンクリートに。
踏め。次々と。もう、ここまで来たらもはや戻れぬ。
そうやって、知らぬうちにガムを踏み続けるといいのだ。
もう、ガムも反撃をやめている。粘ることもやめている。
その特徴的な弾力性すら失われ、かつ、さほど硬くもない。
ただ踏み、踏まれ、その存在はもはやもう誰にも分からぬ。
なんなのか、分からないのだ。お互いに。
知らぬまま踏み、知らぬまま踏まれる関係だけが遺骨のように残った。
ガムはそうやって死んでいく。
ふまれて、ねじれて、乾いて、たまに濡れて、また乾いて、踏まれる。
踏まれる。踏まれる。踏まれ続けている、靴底で何度も何度も。
どんどん黒くなる。どんどん固くなる。
もはやガムであったことすら分からぬ。もはやただの黒い斑点である。
それでもまだ踏まれる。人はガムを踏んだと思っていない。
でも、ガムは踏まれているのだ現に。でも、それはもうガムではない。
埋もれてゆく。硬い、包容力の欠片もない、無機質な冷たいコンクリートに。
踏め。次々と。もう、ここまで来たらもはや戻れぬ。
そうやって、知らぬうちにガムを踏み続けるといいのだ。
もう、ガムも反撃をやめている。粘ることもやめている。
その特徴的な弾力性すら失われ、かつ、さほど硬くもない。
ただ踏み、踏まれ、その存在はもはやもう誰にも分からぬ。
なんなのか、分からないのだ。お互いに。
知らぬまま踏み、知らぬまま踏まれる関係だけが遺骨のように残った。
ガムはそうやって死んでいく。