ポエム
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冬空の色したビー玉
昇華するものがなければ

僕がここで語ることなどないのだけれど

時々

淀んだ水泡が僕の心のすきまから

ふつふつと湧き上がってきて

ちょうど冬空のような色のビー玉として

喉に詰まるんだ。

このビー玉を吐き出す文学が

僕そのものなんだ。

どんなに吐き出しても

カチャン、カチャンと

数多の透明なガラス玉が

僕のガラスの心にぶつかって

不快な音を立て続ける。

この不協和音もまた

文学として昇華できれば

ビー玉は溶融して

また体内を揺蕩うのだろう。

20/12/09 03:43更新 / 伊那秋菜



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