ポエム
[TOP]
最寄りの駅で、隣の母子は語らった。

「次、降りるからね。」

「もうすぐ檻だね。」

-檻。

檻か。そうか。

君にはこの駅が檻に見えるのか。

社会の鎖に縛られた囚人たち。

檻から檻へ運ぶ輸送機。

放物を描く速度線。等間隔の時刻表。

想えば想うほど、

不気味に無機質化する駅。

擦れたコンクリートと錆びた鉄で構成された檻。

僕らは確かに逃れられないのだ…。
20/07/16 11:19更新 / 伊那秋菜



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c