ポエム
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核が
気づかぬうちに、背後に居た者は居なくなっていた…

そんな夜。

くるぶしまで、水に浸して、

見えないものに、目を凝らしてる夜。

呆然と立ちすくんで、指先にも力が入らない。

2時間かけた反復運動。

どさりと、ベッドに身を横たえて、

手と足を三分咲きに。

そして、呼吸を整える。

大きく吸って、全て吐き出す。

頭以外、力を抜く。

すると、身体はまるで沼に沈み、

顔だけが水面に浮かぶ。

そして、目を閉じて、星を想う。

暗闇に輝く、一抹の星を…。

思考を時空に任せて、

現実と夢想の境界。

0.0001秒の、刹那に、

在った。僕の核が。

僕の奥底の底の底に沈み、

日常生活ではその呼吸の泡すら出さない核が。

毎夜、待っている、核が。
20/05/18 01:47更新 / 伊那秋菜



談話室



■作者メッセージ
寝る前のルーティンです。
呼吸を整えてから、少し手足を開いて、身体の空気を抜くと、すぐに金縛り状態になり、眠ります。

いつも、ご覧いただきありがとうございます。

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