p.m.5:53 2020/05/01
頭上には、透明のグラデーションをした、半月。
西の方に、赤い幕。
川辺の道沿いは、いつもより人が溢れかえっており、
親と子の団欒。友との親交。
禍のもとで、子がすくすくと育っていく。
なぜだろう。
その瞬間の僕は、終末を覚悟した。
西陽が空に広がって、
やがて闇に覆われるように、
もう、僕の知っている世界はやってこないのではないか。
やがて、世界は塩水に沈み、
赤い幕が拡散したとき、
柔らかな淡水の香りに、
その赤の色相に、
斜面に萌ゆる草木に、
地を撫でる一団の風に、
自宅の階段の手すりに乗った埃に、そっと感謝した。
西の方に、赤い幕。
川辺の道沿いは、いつもより人が溢れかえっており、
親と子の団欒。友との親交。
禍のもとで、子がすくすくと育っていく。
なぜだろう。
その瞬間の僕は、終末を覚悟した。
西陽が空に広がって、
やがて闇に覆われるように、
もう、僕の知っている世界はやってこないのではないか。
やがて、世界は塩水に沈み、
赤い幕が拡散したとき、
柔らかな淡水の香りに、
その赤の色相に、
斜面に萌ゆる草木に、
地を撫でる一団の風に、
自宅の階段の手すりに乗った埃に、そっと感謝した。