ポエム
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-カタン、カタン-

白色光に照らされながら、白い壁に、垂直に目線を突き立てるように、薄汚れたパイプ椅子に座っている。

この椅子は、いつも東北東を指す。
そして、人体における頭部を、37°仰いで生活しているのである。

きっと、毎夜、目の合った星と、ただ目を合わせている。そう感じる。

-カタン、カタン-

この音は、4、5分毎に、東北東を指す椅子からして、また、東北東から聞こえてくる。あの、回転体が枕を複数回打つ音である。

夜の静寂が、橋脳に図形をつくる。今日は、円錐。

それを、手に乗せてみる。その円錐は、先端を中心に円を描く。それを底辺として、また円錐が形作られる。

そうして膨張した円錐が、私の家。

-カタン、カタン-

南南西から、誰かの視線が、目の裏側を、赤く貫いた。

とはいえ、この世界は、どこをとっても線だらけ。

線を紡いでできたのがこの世界。

最後に、円錐にこの線を巻き付け、巻き付け、補強した。

それが、私の家なのだ。

-カタン、カタン-
20/04/26 00:10更新 / 伊那秋菜



談話室



■作者メッセージ
久しぶりに、詩作しました。新型コロナ、治りませんね。

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