ポエム
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一筋の光
鶏鳴。

春の、柔らかな光線が川辺の君を照らす。

君の、ゆたかな黒髪は、萌える緑のように光をいっぱいに吸い込んだ。

君が、渓流を結ぼうと、両手を透水に浸ければ、

鶯色の紬の袂も濡らした。

頬を赧めて、僕に一瞥をくれる。その、眦の艶美…。


というのは、空想なのだよ。
在りもしない、幻想なのだよ。
だがね、この幻想こそ文化であり、
思想であり、
下衆な私の、在処であります。
此処を、陳腐な云い回しであるが、
一筋の光と形容したい。
20/03/15 01:50更新 / 伊那秋菜



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