ポエム
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鈍色の日
あの日は雪でした。
いつもは降らない雪、辺りを鈍色にしました。

傘をさしても、突き抜ける雪。
目の前にあった雪が、刹那に僕の背後に。
でも、雪は、多分真っ直ぐに重たく降っていた。

排気で曇るあの街が、まさか雪で沈むとは。
雪はその形を保ち、外界に揺蕩う。
街路樹は雪を被り、樹は雪を疎む。

僕を過ぎた雪は、ぐらぐらと降り積もりました。
あらゆる鈍色を乗せたまま。
22/02/16 00:44更新 / 伊那秋菜



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