白猫
忘れられない
気高い白猫ふたりは
今はもういない
数えられない涙の数
深緑の瞳から流れ落ちた
彼女の涙を想い出す
ひとりっきりでも
心を汚さないように
心を引き攣らせながらでも
生ききらねばならない
そこで描かれた絵が
彼女のつくりものの微笑みを
伝えてくれるから
諦めない寂しげな声が聴こえる
生命はいつか消えて
意地悪な運命をしる日が来る
だから正しい気持ちを離さずに
みんな生きようとする日々
いまはもういない
あのふたりの白猫の瞳に
微笑みがやって来るのは
いつになるのだろうか