好き
私は
論理よりも
感情が好きかもしれない
ここまでこの街で生きて来て
あるいは心をなにかに溶かされて来て
さんくちゅあり
さえ溶かしてしまったのは
大丈夫
これは論理なんかじゃない
きっと感情だと
きっとそうだ
と
あるいは
瞬く間に好きになったり嫌いになったり
するのは
論理だと云えると想う?
骨にまで
刻み込まれたこの好きを
空にまで上がる
雲のようにふわふわなこの好きを
全部論理だと云うのなら
私はとても寂しい名前になってしまう
疑うまでもなく
私の名前を呼ぶあなたの声には
朝も昼も夜も
心に届く明るさがあるから
好き
は感情なんだとわかる
静かな静かな真夜中の宝石