ポエム
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無音のメロディー

  

6月に小雨が降りつづく
この街では

でもやっぱり晴れ間もあって
けんめいに洗濯物を干そうとする
気持ちひとつで
乾かそうとする


はるか遠くの
南の町では
そんなことはないのかもしれない
だからひとみな
のんびりと
生きていられるのかもしれないけれど



6月に雨が降るのはあたりまえな
この街でも

ただ
雲の切れ間に
そのとき
ただそのときだけ
一瞬の
虹の架け橋が視えたりする


その瞬間
無音の
メロディーが
ちゃんと心に
届くんだよ


その
ひとのなかに入り込む
無音のメロディーが
聴こえるなんて
平気で云うから
嘘つきって
云われる

雨が降る
雨は降りつづく

6月には無限に雨が降りつづく
それが
ほんとうに
ほんとうなのか
じつは嘘なのか
私はホントのことを知らないのだけれども

私の心にそのとき聴こえていたのは
みんなに馬鹿にされるくらい
虹色の
無音なメロディーだったり
したんだよ

気持ちひとつで
聴くことができた

けっして狂わしてはいけない

心臓の

夢の音







23/06/27 21:26更新 / 花澤悠



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