無音のメロディー
6月に小雨が降りつづく
この街では
でもやっぱり晴れ間もあって
けんめいに洗濯物を干そうとする
気持ちひとつで
乾かそうとする
はるか遠くの
南の町では
そんなことはないのかもしれない
だからひとみな
のんびりと
生きていられるのかもしれないけれど
6月に雨が降るのはあたりまえな
この街でも
ただ
雲の切れ間に
そのとき
ただそのときだけ
一瞬の
虹の架け橋が視えたりする
その瞬間
無音の
メロディーが
ちゃんと心に
届くんだよ
その
ひとのなかに入り込む
無音のメロディーが
聴こえるなんて
平気で云うから
嘘つきって
云われる
雨が降る
雨は降りつづく
6月には無限に雨が降りつづく
それが
ほんとうに
ほんとうなのか
じつは嘘なのか
私はホントのことを知らないのだけれども
私の心にそのとき聴こえていたのは
みんなに馬鹿にされるくらい
虹色の
無音なメロディーだったり
したんだよ
気持ちひとつで
聴くことができた
けっして狂わしてはいけない
心臓の
夢の音